地図が読める
いわゆる「地図が読める」タイプだと自認していたが、どうやら違うらしい。
映像としてものを記憶することが得意なだけだった。
自分を過信しているというか、認識がズレていることはいくつになってもあって、
それに気付くことができる瞬間も、またあるのだなと思った。
初春の未明
先日時間を持て余して隣の区の図書館まで徒歩で行った。
ずっと読みたかった本を、買うことができない情けなさを感じながら借りた。これは本当に言い訳に過ぎない。
寝る前に読んでいたら、ある部分に、いわゆる一般的ではない表記の横に、鉛筆で一般的な表記が書かれていた。
私はこれによってかなり動揺してしまった。
一体どういった心持ちで、どういった意図で、借りている本にこれを書き加えたのか、
それをそのまま返却するに至ったのか、何も想像することができなかった。
本を閉じて寝ようと試みたが、なぜか涙が流れてきた。
ただでさえ眠れないのにさらに眠ることができなくなってしまった。
空はだんだん明るくなる。
その後、続きを読んだ。
「よくわかんないけど泣いちゃうこと」について書かれていた。
100人に3人
ほうれん草を袋から開けようとしたら、茎の部分がきれいに交互に折り重なっていた。
先週の昼間テレビで観た、テラリウムを作る時のピンセットの繊細な動きが思い出された。
テラリウムのことはよく知らない。
ジェルネイルの一枚が自然と剥がれ、ポークジンジャーの付け合せと一緒にフライパンであおられて、食卓に上がっていた。
折に触れて装飾された爪を愛でていたが、初めてこんなに俯瞰で見ることができた。
杖を「つく」というよりは、ガイドにするような手付きでするすると動かしながら、秒速10センチ程度で歩くおじいさんがいた。パチンコ店に入ろうとするのを見守った。
こちらも歩いていたので、無事に入店できたかは不明。
花粉症が辛い。肌にまで影響が出ているのがかなりきつい。
元々肌は弱いらしいがあまり自覚はない。
100人中3人程度にかぶれの症状が出る場合があるというニキビ治療薬で、まんまとかぶれた。盛大な振りかと思った。
痛みや痒みは、正常な判断を鈍らせて生活に多大な影響を及ぼす。よくない。
「よくない」と言えば、「よい」の対義語として「わるい」があるのに、打ち消しの言葉を用いて存在する「よくない」が奥行きがあって愛おしい。