初春の未明

先日時間を持て余して隣の区の図書館まで徒歩で行った。

ずっと読みたかった本を、買うことができない情けなさを感じながら借りた。これは本当に言い訳に過ぎない。

 

寝る前に読んでいたら、ある部分に、いわゆる一般的ではない表記の横に、鉛筆で一般的な表記が書かれていた。

 

私はこれによってかなり動揺してしまった。

一体どういった心持ちで、どういった意図で、借りている本にこれを書き加えたのか、

それをそのまま返却するに至ったのか、何も想像することができなかった。

本を閉じて寝ようと試みたが、なぜか涙が流れてきた。

ただでさえ眠れないのにさらに眠ることができなくなってしまった。

 

空はだんだん明るくなる。

 

その後、続きを読んだ。

「よくわかんないけど泣いちゃうこと」について書かれていた。